2009/03/10

レコーディング後記

昨日はそんなに感じなかったのだけれど、どうやらかなり疲れていたみたいで今朝は全く目が覚めず、バイトに行っても調子が上がらずじまいな一日でした。それだけがんばったということだと思います。全身全霊こめてやった。うん。
でも、無理に頑張った感はまったく無くて、本当にいい音、いい環境で演奏、録音でき、時間が過ぎるのもあっという間で、いつまででもやっていたいと感じる楽しい時間でした。スタジオデデ、たなけさんに本当に感謝しています。
今回のレコーディングは一発録りといって、みんな別々の部屋には入れど(ひとつひとつの音をクリアに拾う関係です)、みんなで同時に演奏して、ライブと同じ状況を作品にするという手法をとったのでした。これは誰かが間違えるともう全部やりなおしになるので、腕が確かな人々でないとできない大変な作業なのです。腕に覚えの無い僕は初め緊張でカチカチでした。
僕も以前レコーディングというものをするまでよく知らなかったのですが、通常レコーディングというのはひとりずつ、他のひとの録音やベースとなるトラック、またクリック(メトロノーム)に合わせて録り、それぞれのパートを重ねて一曲できあがり、という手法が主流のようです。このやり方だと、例えばどこか間違えてしまったとき、一曲全員やり直しとかせず、間違えた人の間違えた部分だけ差し替えができるので、演奏を失敗することを考えるととても効率的な手法と言えると思います。以前に別バンドで初めて録音した時はこの手法をとりました。それぞれが完璧にできるまで(あくまでその時点の「完璧」ですが)何度も録り直しをして、僕個人としても録音を聞いた時、「あ、ここ間違えてる」という弾き損ないのない作品になっています(それでもヘタクソでしたが)
ただ、この手法だと録音を聞きながら何度もやるということなので、次に何が起こるか、つまりどういう音がなるのかすべてわかった上で演奏するので、その時、その場所で音が出ているという「ライブ感」は出にくいと思います。先がわかってることをするのも、自分にただ向き合っているのもロックじゃない。ある種の緊張感がミュージシャンに不足するのだと思います。
今回の録音(一発録り)で僕は、あらかじめ「こう弾こう」と決めて行ったものがあったのに、いざみんなの演奏が始まると、同時進行で起こる様々な音に翻弄されて自分が弾こうと思っていたことへの信念が揺らいでフレーズを変えようとして間違えたり(これはロックだと思います)、逆にみんなに乗せられて予想外の音を出せたり(その後ひっこみがつかなくなってやっぱり音を外す)様々なハプニングが起こりとても愉快な作品になっていると思います。
どちらの手法も一長一短だと思うのですが、あしのなかゆびというバンドに「ライブ感」へのこだわりがあったことと、6人ものメンバーがそれぞれ何度も録り直しをした上で作品にする時間がなかったことが相まって一発録りの手法が選ばれました。6人が集まった音としては、しっかりとみんな緊張感を持って録音に臨み「あしのなかゆび」らしい音が出ていると思います。
個人的にはかなり弾き損なっていて恥ずかしいのですが、弾き損ないも含めて「よい空気」が込められていると思います。「弾き損ない」のクオリテォーを上げることが次回の録音までの僕の課題です。
今回はまた幸運にもよいスタジオ、よい機材で全員が録音できているので、そういう意味でもしっかりとよい雰囲気の音が録れてます。たくさん間違えていて「ダメダメだね〜」と受け取られるのか、緊張感、ライブ感が詰まった音が「なんかいいね〜」と受け取られるのか。今日の日記で「よい」を多用していますが、いずれにしてもこの音が世に出る日が楽しみです。

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